保守主義の哲学---新渡戸稲造『武士道』・與謝野晶子に学ぶ--‐道徳論(1)


―――日本国民の道徳の再興へ向けて―――

 エドマンド・バーク保守主義哲学)―――真正の自由―――「道徳ある自由」・「美徳ある自由

 新渡戸稲造―――『武士道

 與謝野晶子―――「幸福になる女性の道徳」(中川八洋與謝野晶子に学ぶ 幸福になる女性とジェンダーの拒絶』)

から学ぶ

―――日本国再生の手懸りとしての道徳論(1)』 序 論――― 


 読者の皆さんへ。

 いつも、私のブログ「保守主義の哲学」/エドマンド・バークの保守主義哲学)を読んで頂き、心より感謝しています。

 私も、皆さんの期待に応えられるよう、今後も真正の保守主義」をできるだけ噛み砕いて、解りやすく説明していくつもりでいるので、ご支援お願いしたいと思っている。

 さて、今回から数回にわたって“道徳”あるいは“美徳”について説明したいと思っている。

 なぜなら、戦後(→ここでは、サンフランシスコ講和条約が発効し日本国が国家主権を回復した1952428日の以降のこととする)文部科学省旧文部省)が行ってきた“道徳教育”とは、実態としては「道徳解体教育」であり、文科省とは、「“道徳”とは何か」が未だにさっぱり解らない無知無能集団」である。

 そして学指導要領 道徳編の解説を読む限り、そもそも「“道徳”が何であるか」を全く知らない文科省は、「道徳教育」ができない。自明の原理であろう。

 また、「道徳解体→無道徳」をイデオロギー的に「正義」とする、狂った集団日教組」のコミュニストマルキストそれらのシンパら、つまり社会主義者である赤い教師たちは、「道徳教育」をさせない過激な闘争を戦後継続して行ってきたし現在も行っている。

 このように戦後(主権回復以降)約六十年間、文科省日教組には、それぞれ「できない」と「させない」の差はあるが、日本国民の教育から正しい“道徳”を剥奪してきたことにおいて、つまり、現在の日本国のすべての日本国民から“道徳”を奪ったことにおいて、文科省と日教組は同罪である。

 上記の理由において、日本国の学校には道徳の教科書が無い

 日本国政府は、“道徳の教科書がない”などという信じ難い、異常事態を戦後約六十年間も整然と放置してきたため、日本国民の無道徳化が極限まで進行してきたのである。

 “道徳”の事業はクラブ活動扱いで、「教科」ではない。だから、教科書がない。小・中学校の教師は、教科書がないため、道徳の授業が全くできないし、事実上、全くしていない。そればかりか、この“道徳”の時間(年35時間)を使って、赤い教師は似非人権教育」や似非平和教育」、挙句の果てには歴史事実を歪曲して天皇陛下を罵倒し日の丸・君が代国旗・国歌を中傷する好都合な時間とばかりに悪用している始末である。

 日本国の学校教師すべてが、戦後の道徳否定の大学教育を受けて教師になっているから、“道徳教育”は万が一にも不可能である。

 つまり、日本国の“道徳教育”は「教科書ゼロ教師ゼロという異常事態なのである。

 これまでも、私のブログで述べてきたとおり、エドマンド・バーク保守主義哲学)とは、“国法)”、“法の支配”・“立憲主義”、“世襲相続の原理”、“時効の原理時効の国体”、“偏見の哲学国家聖別論等”、“道徳と一体の自由(=真正の自由)”を基本原理とする保守伝統主義哲学)である。

 そして、エドマンド・バーク保守主義は、世襲の原理によって“道徳ある自由国家”が“美徳ある自由国家”あるいは“高貴なる自由国家へ昇華していくこと(高級化していくこと)を目標とするから、国民が道徳を涵養することは国家目標を達成するための最低限の必要条件である

 しかし、上述したように現在の日本国では、“道徳教育”に関して「教科書ゼロ、教師ゼロの惨憺たる状態である。

 本来なら、日本国の真正の保守主義者らが、戦後約六十年もの長期間に、これらの問題を指摘し、少なくとも基礎(ベース)となるべき“道徳教科書(読本)”を作成して、文科省に提示して範を示す程度の努力は行って然るべきであったのだが、全く関心を示さず知らん顔を貫いてきた

 極端な言い方をすれば戦後の保守主義者を自称する諸氏らも文科省と同罪である

 “道徳”とは、「ある行為が自らの生命よりも高い価値があるとする精神のことである。

 “道徳”とは、「自らが自己に課す義務のことであり自己犠牲の精神のこと」である。“自己犠牲”とは必ずしも「自らの生命の犠牲を意味しないが、「自らの生命を他者のために棄てる場合も当然含まれるこれは古今東西の全人類に不易の道徳原理である

 例えば、「勇気」が道徳の徳目である。なぜなら、

 (a)台風による河川の洪水に飲み込まれて流されている少年Aを赤の他人Bが目撃して、自己の生命を顧みずに一目散に河川に飛びこむ姿

 (b)自分の子どもが転がるボールを追って車道に飛び出した時、我が子を交通事故から回避させるために本能的に(=自己の生命などかなぐり捨てて)車道に飛び出して我が子を守ろうとする親の行動

 (c)警察官がピストルを所持する凶悪犯を逮捕しようとする行動

 (d)消防士やレスキュー隊が火事の現場で炎に包まれた赤ん坊を助け出すために炎に包まれた家屋に突入する時

 等々の“勇気ある行動(=彼らにとって自己犠牲の勇気は、無意識的本能となって身体に浸透している)”を見て感銘を受けない人間がいるであろうか一部の無道徳主義の社会主義者の如き精神的欠陥者をのぞいてほぼすべての国民が心打たれ感動し彼らを称賛するであろう

 このよう「ある人間の“勇気”ある行為」は、その行為を見た大多数の人間に共通の感銘を与えるがゆえに人類不易の道徳”の「徳目」なのである。

 なお、今回は、読者の皆さんに「“道徳とは何か」を肌で実感してもらうために、新渡戸稲造 博士の『武士道』(邦訳 矢内原忠雄を基本とし、必要に応じて奈良本達也の邦訳で補足する)、中川八洋 筑波大学名誉教授の與謝野晶子に学ぶ 幸福になる女性とジェンダーの拒絶』(グラフ社、2005年)、サミュエル・スマイルズの品性論』(邦訳 中村正直の一部等から原文を引用して紹介する

 なお、今回は「ブログ作成者の解説は極力少なくして上記の偉大な著者らの原文から読者の皆さん自身が直接「“道徳とは何かを直観して頂きたいと思っている。ただし必要に応じて「私(ブログ作成者)の解説」を挿入することとする。

 なお、スマイルズの『品性論』(邦訳 中村正直『西洋品行論』第一篇~第十一篇)については、今回はほんの極々一部のみの紹介とし、今後、より詳しく、特に、第一篇第二篇第十一篇第九篇第四篇を私の能力を尽くして現代語訳して読者の皆さんに紹介していきたいと思っている。

 今回のブログでは、特に新渡戸稲造 博士の武士道』(→主に男性的道徳)および中川八洋 筑波大学名誉教授の與謝野晶子に学ぶ 幸福になる女性とジェンダーの拒絶』(グラフ社、2005年)(→主に女性的道徳)の最重要部分を凝縮して引用している。両者とも21世紀を担う男性諸氏および女性諸氏に性別に関係なく全文を通して読んで頂きたい

 全文読んで頂ければ、男性諸氏も女性諸氏も「男女平等」や「両性の本質的平等」「フェミニズム」「ジェンダー」「人権」等の概念が、人間の「貧困の理性主義」によって創り上げられた浅薄で幼稚な概念であり、人間性なき機械的な反道徳的観念にすぎないことが解るであろう。ゆえに必ず、時間が少しかかるかも知れないが、全文通して読んで頂きたい。

 そうすれば、読者の皆さんが、必ず“道徳の厳しさの中にこそ人間として真に心打たれる何ものか”・“人間が生きることの真の意味が存在することを薄らとでも感じ取ることができるように、私は本ブログを綿密に構成したつもりである。

 では、本論に入って行くこととする。

―――サミュエル・スマイルズ品性論』(邦訳中村正直西洋品行論』)より部分引用、ここから―――

 第一編 品行の勢力感化を論ず

 (品行は天下の大勢力なり

 品行は天下を動かす極大の勢力を有(たもて)るものなり

 品行は人身と合ふて一体となり人の性質を外貌に写し出さしめ極高極善の度(ど)に至らしむるものなり

 (=人間は品行を身に付けると、人格が外貌に現われるので、人格は極めて高貴で極めて善なるものとなるのである)

 人の斯くの世に在るや何の地位を論ぜず純粋善良なる人は一世の統帥となり同時人をして己に帰依せしむるなり

 (=そのような人間の世界(社会)においては、地位には関係なく純粋善良な人間がその時代の統治者となり、同時代の人間は、その統治に従うのである)

 次(つい)で工芸を勉強する人正経義気の人高尚なる見識を具ふる人志向の純一忠実なる人何れも一世を号令する勢力ありて同時の人に敬礼せらるるなり

 (=次に装飾美術(美)を勉強する人間、正道を歩み正義を重んずる人間、高尚な見識を身に付けている人間、志の目標が一方向を目指してぶれずそれに忠実である人間、それらの人間達の中から、その時代の人間を指導する勢力が現われて同時代の人間から敬礼されるのである)

 蓋し此等の人を信仰し之に委託し此れを表様となし之に模倣すること人情の自から然るものなり

 (=なぜなら、これらの指導者達を信仰して、彼らに物事(政治)をまかせ、それを手本として模倣しようとするのが良いと考えるのが人間の自然な感情だからである)

 世界の善事は此等の人の維持扶植するに頼る若し

 (=世界の善なる事柄は、これらの人間(指導者)達が維持し、扶植する(=種を植え付ける)のに頼っているようなものである)

 此等の人なければこの世界は卑陋(ひろう)の極なる者にして其中に住するに足らざるべし

 (=もし、此れ等の人間(指導者)の品行がなければ、この世界(社会)は極めて卑しく下品な世界となり、人間はそのような世界に生きる価値はなくなる)

 (五十六人民の善徳は国の堅質なる基礎なり

 公論の暴虐を防ぐ為の真正の保障は他なし人民独自一己の聡明徳達にして自主自由なると及び其一身の純粋清潔なる品行とに在るのみ

 (=乱暴で残虐な、輿論を防止するための真正の保障とは、国民各々が、聡明で道理に通じて自立して自由であり、純粋清潔な品行を備えることにしかない)

 之なかりせば一国の中に活発壮強なる人民ある能はず真正の自由ある能はざるなり

 (=そうでなければ、国家に、活発で勇ましく力強い国民は存在できないし、真正の自由も存在し得ない)

 政府の法度縱(たと)ひ十全完備したりといえども自ら敗壊したる箇々(ひとりひとり)の人民をして高尚純粋ならしむること能はず

 (=政府の定めた法律がたとえ充分に完備しているといっても自壊してしまい、国民各自を高尚純粋ならしめることはできない)

 人民保薦の規制人民保護の規制及び人民真正の品行の如き苟(いやしく)も能く完全善美に至らんには必ず律法及び政府の中に反射すること恰も物体の鏡に映ずるが如くなるべし

 (=国民の政治参加、国民の権利の保護、国民の真正の品行のようなものは、これらを国民自身が完全な善美に到達させようと努力するならば、必ず、それらは政府の政策や法律に反映される。それは、物体が、鏡に映るのと同様である)

 政事上の善徳は人民各箇(おのおの)の善徳に及ぶ能はず決して堅質なる基礎を有する能はざるなり

 (=政治として行われる善徳が、国民各自の善徳に勝ることはあり得ないし、政治的な善徳は、国民の善徳なしに、決して堅固な基礎を持つことはできない)

 自主自由ということも品行卑汚なる人民の中に流行するときは臭穢にして厭(いと)ふべき物となるなり

 (=自立した自由が保障されても、品行が卑汚な国民にとっては、自由は、臭く穢れたものになり、嫌悪すべきものとなる)

 板行の自由もかかる下等の人民に在ては放逸遥蕩を発泄する具となり風を傷(やぶ)り俗を害するに過ざるのみ

 (=法律文書に書かれた「自由」という文字も、このような品行が卑汚な国民の下では、節度のない勝手気ままな振舞いを喚起し、財産を使い果たしてしまうための道具とされてしまい、人民の風俗を害するものとなってしまう)

 ※ 上記カッコ内の現代語訳は、私(ブログ作成者)による

―――サミュエル・スマイルズ品性論』(邦訳 中村正直西洋品行論』)より部分引用、ここまで―――

 私が、サミュエル・スマイルズのこの個所を冒頭に据えた理由は、読者の皆さん各々で汲み取って頂きたい。

 現状の日本国の政治・社会状況の醜態を顧みれば、現在この国に何が欠けているのか、何が必要であるのか、誰でも容易に解るのではないだろうか。

 次に、新渡戸稲造武士道』(→邦訳 矢内原忠雄を基本とし、必要に応じて奈良本達也の邦訳で補足する)へ進む。

 『武士道』は、主として現代日本国の男性諸氏(当然、私も含まれる)が、必読すべき男性的“道徳”であるが、女性諸氏が参考にすべき道徳内容でもある。

 1899年(明治三十二年)に新渡戸稲造 博士が『武士道』の初版を米国で出版されてから、現在に至り、110年の歳月が経過した。

 「フェミニズム」、「ジェンダー・フリー」、「男女の本質的平等」などはすべて社会主義者の女性らがつくりあげた、男性への逆差別的な妄想・虚妄からなる憎悪であり裏を返せば男性と幸福に生きている女性自身への憎悪となるから、結局は人間そのものに対する憎悪・呪詛という、日本国民を道徳破壊の不幸に導く邪教にすぎない

 このような、妄想・虚妄の邪教」に幻惑されない、毅然とした「男性の誇り」と「女性の信念」を取り戻すためには、『武士道』を知る(読む)ことは極めて重要であると私は考える。

 ただし、私は『武士道』の内容をそっくりそのまま現代日本国に当てはめよと言っているのではない。

 現在の日本国民の道徳頽廃と「道徳教育の教科書がない」という現実的惨状を鑑みれば、『武士道を知る読むことは道徳とは何であるか”・“道徳を遵守することの厳しさ”・“道徳を遵守する厳しさ故の重要性”を知り、21世紀日本の日本国民の“道徳教科書”作成の参考にするために、避けて通ることはできないのだ、と言っているのである。


保守主義の哲学---新渡戸稲造『武士道』・與謝野晶子に学ぶ--‐道徳論(2)へ続く


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