保守主義の哲学---(号外版)「死刑制度廃止論」に関する私的考察について(2)

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―(号外版)「死刑制度廃止論」に関する私的考察について(2)

 (ロ)(イ)とは逆に、上記の矛盾に対して人権擁護派死刑廃止論者が上記の「人権の定義」には固執せずに、殺人を犯したといえども「殺人犯Bは疑うことなき人間であり生存権も生命権も所有する」と断固主張する場合。

 この場合も、被害者である人間A殺人犯である人間Bに人権(=生存権・生命権)を簒奪されたという事実変りはないから、(ロ)のように「殺人犯B人間であり人権を所有すること」に固執するのであれば、今度は上記の「人権の定義」の後半部分を以下のように事実に則して変更しなければ、厳然たる事実と上記の人権定義矛盾を引き起こすであろう。

 (人権定義の変更

 「人権とは、すべての人間生まれながらにして持つ自由および諸権利(→当然、生存権生命権を含む)であり、その自由および諸権利は、社会のある特定の状況下のある特定の構成員(=人間によって侵害される奪われることもあり得る権利である

 しかし、このように変更した「人権の定義」は、そもそも「殺人肯定される場合がある」と認めることであるから「死刑制度」や「死刑」は決して否定できなくなる

 さらに言えば、公正な裁判で判決された「死刑制度」に基づく「死刑」は変更した「人権の定義」上、殺人が(唯一)最も肯定され得る場合に該当するとさえ言えるようになるであろう。

 結論(ロ)殺人犯Bは、殺人犯したといえども人間であって人権(=生存権・生命権)は絶対的に存在する」と主張する場合「人間Aが人間Bに殺害された」という厳然たる事実から「人権の定義」の方を変更せざるを得なくなる

 この場合、変更した「人権の定義」によれば公正な裁判で判決された殺人犯の「死刑制度」に基づく「死刑」については理論上「唯一最も肯定され得る殺人となるのであって、それを「人権侵害である」、「人権簒奪である」などと批判するのは虚偽となる。

 ―――――

 ●以上、〔=ブログ作成者〕の人権論においては(イ)、(ロ)のいずれの場合からも、公正な裁判判決された死刑」や「死刑制度」が、殺人犯の「人権侵害に当たる」とか「人権の簒奪である」と批判するのは、人権論上、根拠のない虚偽」であるという結論に収斂する

 そして、上記の〔=ブログ作成者〕の「人権の定義」と異なる、いかなる「人権の定義」を試みても、同じ結論に帰着することになるであろう。

 ―――――

 なお、上記の〔=ブログ作成者〕の人権論に関する重要な注意点を示しておく。

 第一に、「生存権・生命権」を簒奪してしまう殺人行為」と、程度の差こそあれ、「人権」を一時的侵害するその他の犯罪行為」とを明確に区別する必要がある。

 なぜなら、前者は、被害者は死亡するため「人権」は二度と回復復元されないが、後者の場合は、一時的に侵害された人権」が回復復元可能である場合、あるいは別の何らかの形で補償し得る場合ありうるからである。

 つまり、通常程度の人権侵害と考えられる場合は、程度に差こそあれ、人間Cが他の人間D人権を一時的に少しでも侵害してしまったという事実を根拠にして、人間Cは上記の「人権の定義」の後半部に矛盾する行為をしたから「C人間ではない動物やものなどの何かである」と一気に飛躍した結論をするのは極めつけ暴論であり、〔=ブログ作成者〕の意図全く異なるものであると念を押しておく

 私〔=ブログ作成者〕の上記の人権論はあくまで、殺人犯に対して「死刑制度」の基づく「死刑」を執行することの是非を議論したものであって、人間C権利行使をした結果、人間D人権を侵害してしまう結果となった場合でも、人間C責任義務)の履行によって、何らかの措置で人間Dの権利を回復復元させることができる場合や、別の何らかの補償によって和解可能であるならば、人間Dの人権は上記の「人権の定義」の後半部趣旨範囲内納まっており、「人権の定義」に支障をきたすものでない考えるべきである

 第二に殺人犯B被害者A人権簒奪消滅させた)のであるから、〔=ブログ作成者〕の人権論上の「人権の定義」により、公正な裁判判決された死刑」や「死刑制度」が、殺人犯の「人権侵害に当たる」とか「人権の簒奪である」と批判するのは、全く根拠のない虚偽」であると言えるのであるが、そのことは殺人犯が「必ず死刑にならねばならない」ということを意味するものではないということに十分注意いただきたい。

 私〔=ブログ作成者〕の人権論上、殺人犯は「人間ではない何らかのもの」と言い得るが、その殺人の「動機衝動恣意性残虐性生活環境などの性向状況」は検討され、量刑に対して考慮される余地は否定できないのである。

 以上が〔=ブログ作成者〕の個人的人権論による、人権擁護派および死刑廃止論者の「殺人犯に対する死刑制度および死刑廃止論」の根拠である「殺人犯に対する人権侵害論人権簒奪論」という虚偽論理破綻に対する批判である。

 さて、以上は〔=ブログ作成者〕から読者の皆さんへの「死刑廃止論」に関する問題提起でもあるのだが、どのようにお考えになるであろうか?

 このような視点で、本日のクローズアップ現代を視聴頂くと、NHK司会者思想本籍が見えてくるかもしれない。

20100830ブログ掲載】

保守主義の哲学---(号外版)「死刑制度廃止論」に関する私的考察について(終了)



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