保守主義の哲学シリーズ(号外版)‐‐‐新ロシアの“核”脅威と「日米安全保障条約堅持」の重要性(其の2)

 実際のロシアの対日戦争時の投入可能ミニマム(=最少見積もりの)戦力について、ごく基本的な数字を挙げておこう

 まず、陸軍力について言えば、ロシアは、日本に戦車8,368を振り向けることができる(表6)。

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 このようなことを聞くと、わが自衛隊の将兵が必ず「ウソッ!」と叫ぶ。

 防衛大学校で赤い(=共産主義やそのシンパの)校長や赤い教官たちに洗脳されたからでもあるが、実は軍事バランスの算定方法を四年間の在学中、防衛大学生は一度も習わないからだ。

 防衛大学校は、一般通念上の士官学校ではない。

 現に、防衛大学校の卒業生の99%が、英国の国際戦略研究所が毎年出す『ミリタリー・バランス』を読めない

 兵器もほとんど知らない

 軍事知識も皆無に近い水準にある。

 シベリア鉄道が電化され複線なのに、ロシアが対日侵攻時に、どれほどの輸送能力があるかも考えない。

 3週間で110個師団=1個師団は、おおよそ15,000人~20,000人位で構成される。少ない場合は6,000人程度の場合もある。以上をナホトカその他の極東の港湾に運んでこれる。

 戦車8,0009,000輌など、ロシアの戦車師団で言えば、たかだか30個師団である。

 それは、3習慣で110個師団を運べるシベリア鉄道の輸送能力の3分の1にしか当たらない。

 1週間もあれば、戦車8,0009,000輌が、ナホトカその他の港湾に集積される

 ・・・それほどナホトカ港などのロシア港湾をハイテク設備に近代化したのは、日立造船その他の日本企業である。

 ロシアにとって、・・・笑いが止まらないだろう。

 なお、港湾や鉄道は、軍事力の中の軍事力である。

 この故に、仮想敵国の港湾近代化や鉄道近代化をした企業は、・・・敵国と通牒した明白な外患罪の犯罪行為である。

 刑法28条他を適用して、これらの企業を摘発できるよう、法令の整備を急がねばならない。

 樺太の石油・天然ガスを開発した企業の社長にも、当然適用しなくてはならない。

 また、北海道には、石狩新港など、ロシアの侵略上陸のためにつくったとしか思えない港湾や空港が多すぎる。

 これらについても、何か包括的な国家安全保障法のようなもので取り締まる法的整備が緊急課題である。

 ところで防衛省も自衛隊もロシアの対日侵攻能力の計算方法を知らない。

 ・・・表6は公刊資料『ミリタリー・バランス』などから算出したもので、実は誰でもつくれる

 ・・・ロシアの戦車生産能力は、最大で年3,500輌で、毎年自衛隊を5つほど作れる規模である。

 現在でも、年700輌を生産できる態勢にある。ちなみに、日本の戦車生産能力は、九〇式で年20輌程度である。ロシアの100分の1である。

 また、ロシアでは、2000年、プーチンが大統領になるや中学生以上の男子に軍事教練を学校の科目として復活した。

 いつでも「2,000万人の陸軍(ロシアでは「地上軍」という)を編成できる(表7)。

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 15万人という超ミニ陸軍しかない日本の100である。

 そこで、“ロシアの狗”防衛省は、自らの『白書』で、この「2,000万人」を、勝手に鉛筆を舐めて「200万人」に1桁減らす改竄をなした(『防衛白書』、平成16年版、359頁)

 極東空軍力についての日ロ間の大ギャップは、表8表9の通り。

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 『防衛白書』は、この663機対262という、深刻な日本の劣勢を誤魔化すために、海軍力である対潜哨戒機を空軍力にする作為をなした。

 また、実戦能力のない練習機のF1や中古すぎてどうにもならないF4まで、対ロ空軍力としている。

 さらに、ロシアのこれらの航空機名「SU242527」とか「MIG29/31」とかをわざわざ消している

 日ロ間の航空機の質的差異がわかって、日本のレベルの低さが判明しないようにする作為である。

 また、日本には爆撃機や戦闘爆撃機が1機もないが、この事実も隠蔽する。

 『防衛白書』は、『防衛嘘書』と名前をかえねばならない

 爆撃機がないから、日本には、空中発射巡航ミサイルが一基もない。

 が、このことも『防衛白書』は、黙して語らない。

 例えば、極東のバックファイヤー爆撃機(約138基)は、巡航ミサイルAS41機につき3基搭載するので、初回の出撃で138機×3=)414を日本に撃ち込める。

 第2回/第3回の攻撃をすれば、AS4414×3=)1,242も日本に投下される。

 1基で200ktの核弾頭を装填しているので、1,242基×200kt÷13kt19,100ヒロシマ原爆1基=13kt2万個分が日本列島をところ狭しと爆発する。

 ・・・極東における海軍力についても日本は貧弱で、潜水艦を例にとると、11のように、原子力潜水艦を持たない“後進国海軍”なのが、直ぐわかる。

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 日本の潜水艦はディーゼル・エンジンの小型でしかなく、速力も20ノット(➡1ノット=1.852km(=1海里)/時であるから、37km/時と超低速である。

 要は、日本にはロシアと戦闘ができる潜水艦は1隻もなく、口にするのも恥ずかしい

 また、ディーゼル・エンジンであれば、潜行戦闘時間は僅か8時間で、その後は必ず燃焼式エンジンであるから、air change のため浮上しなければならず、この時必ず撃沈される。

 ロシア海軍の対日攻撃用の巡航ミサイルはSSN121922で、合計120ある(10)。

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 『防衛白書』はこの事実も隠す。『防衛白書』は、モスクワで書かれていて、印刷だけ日本でしているとしか思えない出鱈目な内容である

 防衛省は、「ロシア国防省東京出張所」と、実態と一致した名称に変更すべきだろう。そうすれば、日本国民は『防衛白書』に欺かれなくて済む。』

 以上の中川先生の指摘によるならば、ロシアの軍事力がいかに強大で、日本にとっていかに脅威であるかが解るだろう。

 と同時に、日本の防衛省が、以上の事実を日本国民に対して秘匿し、国民をいかに欺き、馬鹿にしているか、そして防衛省が日本国と日本国民を真剣に守る気が全くないことが解るであろう。

 ここに至っては、防衛省の行為は、単なる「職務放棄」で済まされる問題ではなく、「国家叛逆罪」と言えるのではないか。

 

 社会保険庁の年金記録問題の“数百倍たちの悪い、凶悪犯罪官僚”である

 そしてこれらの事実を知ってか、知らぬか解らないが、沈黙を決め込む日本の政界・政府・防衛省ならびに学界/マスメディア界/言論界/教育界も同罪ではないか。

 例えば、マスメディアは真実を突き止め、それを国民に報道する義務を負った、情報収集及び国民への報道のプロなのであるから、知っていて報道しないなら、マスメディアは防衛省と同罪であるし、知らなかったと言い張るなら、そもそもマスメディアとして失格であろう。

 また、日本の学界においても例えば国際政治学者や軍事専門の学者についても全く同様の事が言える

 しかし、国際政治学者等の場合は、このような事実を知っていること自体が専門学者たる所以であるから、必ず知っているはずである。

 とすれば、知っていて指摘しない、あるいは意図的に隠してきたとしか考えられない

 もし、本当に知っていなかったとすれば、そもそも学者(=その分野の専門家)失格であり、大学から無駄に支払われた給料をすべて返還せよと言いたい。

 そして、もし、中川先生の上記の記述に大きな間違い(=ロシアの軍事力に関するデータの大筋での誤りのこと。細かい数字の誤差等は必ず存在するものであり、大筋での誤りとは言わない)があり、ロシアはそのような大軍事力は持っていない、『防衛白書』は正しい、と言うならば、中川先生同様に反論の理論的根拠を提示するべきである

 私は、中川先生の著作群をこれまである程度の分量読んできたが、私の知る限り、中川先生の論理には常に屋久島の1本の縄文杉のごとく、真直ぐな太い筋が通っており、その論理展開においては広汎な知識と正しい判断力があり、それらの証拠類の確度も非常に高いものであると知っている。

 抜粋④ 日本国及び日本国民が生き残る道筋はあるのか?

 中川八洋 曰く、

 “アジアの東欧”満州の喪失と日本の危機の永遠――米国の「入亜」なくして、尽きる日本の国運

 「ハートランド=新ロシア」に対する日本の位置は、沖縄を含め、地政学的にいえば、ヨーロッパの英国に当たる。朝鮮半島はベルギー/オランダ、満州は東欧諸国、モンゴル(外蒙古)はバルト三国、台湾はノルウェーに当たる。

 ヨーロッパは今や、マッキンダー/スパイクマン地政学に忠実に、英国から東欧諸国まですべてが「リムランド=周縁地」となり、米国主導のNATOに加盟して、“世界平和破壊の大震源地”ロシア=「ハートランド」を包囲し、米軍の「ハートランド」侵入ルートを形成している

 しかし、東アジアは、「ハートランド包囲」は突破され、「リムランド」の方が、このロシアに飲み込まれようとして、「ハートランド」の東アジア制覇は、完遂直前である

 例えば、朝鮮半島の北半分は、このロシアの同盟国であり、日本や米国に牙をむく。

 “アジアの東欧”満州は、赤い支那の一部となり、赤い支那も「ハートランド」ロシアに与し、ユーラシア大陸の中枢から西太平洋にかけて巨大な「拡大ハートランド」もしくは「連合ハートランド」を形成している(備考)。

 (備考)中共を「第二ハートランド」とすれば、これは、「ロシア=第一ハートランド」と一体的なので、一緒にする場合は「連合ハートランド」と名付けるのが妥当に思える。中共とはロシアの勢力がアジアに拡大したものと考えれば、これら全体を「拡大ハートランド」とするのも適切に思える。

 これでは、スパイクマンの言う、「ハートランド包囲ができる強力なリムランド」は、ハートランドの東側=東アジア地域では形成されない。

 ハートランドの膨張を阻止できない

 東アジアの、こんなリムランド状況では、いずれは必ず、ハートランドが世界最高の伝統を誇る日本国を併吞し、その自治領にする。

 日本国の滅亡である。

 ・・・マッキンダー地政学が、そのまま東アジアには適用できない箇所が一つだけある。

 支那が「ハートランド」なのか「リムランド」なのか、はっきりしない問題に、マッキンダーは安易にリムランドとしている。

 しかし、支那がロシアと結託すれば(=日本にとって最悪の事態)、明らかにそれは「拡大ハートランド」の一部だし、支那がロシアと敵対し、米国の友邦になればマッキンダー/スパイクマン地政学の定義する「リムランド」となるから、この問題は、そう簡単ではない

 ・・・このことは、「支那とロシアを分断できるか否か」によって「支那はハートランドでない」か「支那は拡大ハートランドの一部である」かに分岐することがわかる。

 そして、マッキンダーもスパイクマンも、支那が「ハートランド」を包囲する「リムランド」側になることが世界の安定に望ましいと考えるから、ならば、支那をロシアから分断する方策を提示するべきであった。

 そこで、マッキンダーとスパイクマンがし残した仕事、支那とロシアをいかに“分断”するかについて、多少の論及をしておきたい。

 方法には二つある。

 第一の分断策は、イデオロギーその他によって両国を対決させる。あるいはイデオロギーその他によって必ず敵対的にロシアと対決する国家を支那につくる。なお、支那をしてロシアに対抗できる軍事力を持たせる策は、両刃の剣的に日本への軍事的脅威となる最悪の選択だから、この策は選択してはならない

 第二の分断策は支那とロシアの間に、「反ロシア・反支那の強力な軍事同盟国家群」を楔のように打ち込むもので、・・・1905年(=日露戦争後)から1918年(=第一次大戦終了、国際連盟規約の締結前)にかけては現実的だったし、容易に可能であった(=外蒙古+満州+朝鮮+日本+米国の5カ国軍事同盟による支那とロシアの分断をしておくべきだったが、今では不可能である)

 中川先生が指摘されるように、現状では、中共とロシアの間を分断する二つの方策、①両国を何らかの方法で相互に対決させる方策も、②中共とロシアの間に「反ロシア・反支那の強力な軍事同盟国家群」の楔を打ち込む方策もおよそ100%の確率で不可能である

 とすれば、日本の選択肢は米国の核の傘の中に入ることでロシア、中共の核の脅威を抑止しつつ、日米同盟を絶対堅持して、米国本土~ハワイ~グアム・サイパン~フィリピン~台湾~日本(~韓国)に至る、アルフレット・セイヤー・マハン(=世界的な海軍史家)の唱えた、「対ハートランド拡大縦深(=シー・パワー=米海軍力)」フル活用するしかないのは自明である

 であるから、冒頭に私が述べたように、普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設問題で日米同盟に亀裂を入れること、あるいは米国が日米同盟に不信を抱く行為は絶対に避けなければ、日本の生きる道は全く無いのである

 日米同盟が破綻した時、日本の国運は尽きると言える

 民主党がこの問題で米国を困惑・激怒させているのを見て、「民主党は、米国に対して毅然とした態度で臨んでいる。すばらしい。」などと、日本の安全保障を真っ逆さまに転倒して、己の身を破滅に向かわせるかも知れない“民主党の世紀の愚行”に“称賛”を送っている日本国民がいるとすれば、その者は、国際政治における「外交」・「軍事」・「平和」の何たるかが微塵も解らぬ幼稚園レベルの知能の、愚鈍な国民である。

 はっきり言えば、唯の“馬鹿”である。

 最後に、私事であるが、上記の中川八洋 筑波大学名誉教授 著『地政学の論理』(徳間書店、2009年)を通読して、ロシアと中共を分断させる事が出来るかもしれない、第三の方法を思いついた。

 おそらくこれが実現できれば、中共は絶対に日本に侵略できないし、ロシアも日本に絶対に侵略できないし、ロシアと中共は相互に侵略(戦争)できなくなる。もちろん米国とロシアも同様であるつまり、日米同盟堅持を前提とした、ある方法(切り札)で、ロシアと中共の間に目に見えぬ分断線を刻み込むことができる可能性がある

 その方法は、ここでは紹介しない。

 すれば、中共とロシアの“逆包囲=先手を打たれる行為”にあう恐れがあるからである。

 その解決方法は、1970年代の米国外交を逆手に取ることにある、とだけ言っておこう。

(保守主義の哲学シリーズ 号外版 END)

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